ウェブ制作会社にあるまじき社名を考えました。

ウェブ制作会社の新社名として、ウェブ制作会社にとってはタブーな「503エラー」をモチーフに、「株式会社503」というネーミングを考えた。

きっかけは、とある大阪のウェブ制作会社の代表の方から、「心機一転、ウェブまわりの会社を新設したいので名前を考えてほしい」とのお話があったこと。聞けば、ここには書けないような幾多の失敗をくりかえしてこられていて、そのときもマンションを買えそうなくらいの損失を背負ったばかりとのことで、「ちょっと鬱気味なんですよね」と肩を落とされていた。

正直、最初は「大丈夫かな、この人」と思いもしたのだが、そのわりには設立から15年近くも会社をつぶすことなく続けてきているし、今だって新しい会社をつくろうと前を向いている。なにより、人には言えないような失敗を堂々とさらけだせるところはすごいなと感じた。ふつうなら絶対に避けたり隠したい失敗を、むしろ推進力に変えていけるような方なのかもしれない。

そんなことをヒアリングしながら考えていたら、ウェブ制作会社が絶対に避けたい「エラー」を前面に押しだした社名にしたらいいんじゃないかと思った。

“失敗やエラーはネガティブなものではない。世の中にないものをつくるときに失敗やエラーはつきものだ。だからこそ、エラーをおそれることなく、むしろエラーを次から次へと起こすように挑んでいこう。ウェブ業界に、まったく新しい価値観を生みだすために。”

そんなコンセプトやメッセージを、失敗を恐れておもいきりチャレンジできないでいるだとか、失敗ばかりで落ちこんだまま前を向けないでいるだとかいったウェブまわりの人たちに伝えられれば、すこしでも前を向くきっかけになるかもしれない。わたしも失敗ばかりの人生だったから、失敗を堂々と肯定してくれるような社名が世の中にもっとあってもいいんじゃないかなと思った。

そして、なによりも、その代表の方自身が肩を落とすたびに、その社名を見上げて前に進んでいってくれたら、コピーライターとしてお手伝いさせていただいた立場としては、とても嬉しい。

そこで、エラーのなかでも「503エラー」をモチーフに据えることにした。あらためて調べてみると、サーバーに多大な負荷がかかりすぎたときにサーバーがダウンしないように一時的に表示されるエラーとのこと。つまり、サーバーはダウンすることなく、まだ正常に稼動している状態らしい。

なんだか、さまざまな失敗をくりかえしながらも、ギリギリのところでほんとうにダウンしてしまうことなく乗りこえてきたところがぴったりだなと思った。「アクセスが集中するようなウェブサイトを制作する会社」というポジティブな意味合いを持たせられるのもいいかもしれない。

とはいえ、ウェブ制作会社の新社名に「株式会社503」などとエラーを彷彿させるネーミングを提案して門出に花を添えるのは、すこし勇気がいる。というか、ちょっと頭がおかしい。さすがに「不謹慎だ」と怒られてしまうかもしれない。でも、まあ、怒られたら謝ればいいか。それこそ、失敗を恐れることなく、おもいきって提案してみたところ、こちらの予想以上に気に入ってくれて、そのまま一発で通ってしまった。そして、あれよあれよという間に、ほんとうに株式会社503が誕生してしまったのである。

まさにエラーページのようにシンプルなページが、これからデザインされていく過程自体をサイト上でそのまま見せていきたいそうだ。わたしがお手伝いさせていただいたのは社名だけではあるけれど、陰ながら楽しみにしている。

ちなみに、さっそくリンク切れのエラーを起こしてもらうことにしたロゴについては、賞金20万円で募集しているそうなので、ご興味があるデザイナーさんは、ぜひ。

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