ねむりのケモノ「ネモフ(nemoph)」のコンセプトづくりからネーミング、コピーまでをお手伝いしました。

ロボット開発を手がけるパルスボッツ株式会社さまから「ねむりのおとも」をコンセプトに発表された新製品、ねむりのケモノ「ネモフ(nemoph)のコンセプトづくりからネーミング、コピーまでをお手伝いさせていただいた。

当初ご依頼いただいたときから、上記の製品写真のベースとなるイメージと「ねむりのおとも」という製品コンセプトはすでに決まっていたのだが、なぜその製品イメージやコンセプトで製品を開発するのか。その大前提となる部分からしっかりつくりこむことでキャラクターの世界観をもっと深められるのではないかと思い、そもそもの事業コンセプトを考えるところから始めさせていただいた。

それで、パルスボッツ代表の美馬さんと話していくなかで、「正直、いまのロボット業界って楽しくないんだよね」というフレーズが飛びだして、「これだ」と思った。

正直、いまのロボット業界って楽しくない。むかしはバカげたような壮大な未来を、ロボットに描くことができていたはずなのに。もういちど、ロボットといっしょに。もっと、楽しい夢を見よう。

そんな事業全体のコンセプト文をつくり、「ロボットと、いい夢を。」という事業全体のスローガンを策定。そこから「ねむりのおとも」という製品コンセプトや「ねぼけたこと、はなそ。」というキャッチコピーへつなげ、製品の方向性をより強く言葉で裏づけていった。

そのなかで、「いま『ロボット』と言われると、ちょっぴり無機質なイメージがして『ねむりのおとも』としてふさわしくないのではないか」という点をプロジェクトの課題として設定。「ロボットっぽくなさ」を新製品に与えることで解決し、結果としてユーザーとの距離も縮められるのではないかと考えた。

具体的には、世の中に存在する「ロボットっぽくないロボットキャラクターたち」などを良例として、以下の4つのロジックを抽出した。

ロボットっぽくないロボットをつくるための4つのロジック

 
1. 生活感
登場する暮らしのシーンを限定させて生活感を高める。

 
2. さわりたさ
思わず触れたくなってしまう「かわいさ」と「きもちよさ」。

 
3. さわりたくなさ
日常において忌避されるイメージをあえて与えることで、逆に「ちょっとだけ触れてみたい」好奇心をくすぐる。

 
4. 不完全さ
完璧ではない「ツッコミたくなるスキ」をつくり、ユーザーとのコミュニケーションのハードルを下げる。

そして、これらのロジックをベースにして、「ネモフ(nemoph)」というネーミングや、「ねむりのケモノ」というキャラクター設定、「ねぼけたこと、はなそ。」というキャッチコピーほか、それらに付随する文言をつくっていった。

4つのロジックをベースにネーミングやキャッチコピーなどをつくる

 
1. 生活感
「ねむりの」で登場する暮らしのシーンを限定させて生活感を高める。

 
2. さわりたさ
「ネモフ」 という名前でさわりたくなる「かわいさ」や「モフモフ感」を表現する。

 
3. さわりたくなさ
あえて「ケモノ(獣)」と定義し、「ネモフ」という名前の響きでケモノっぽさも匂わせる。ただし、ケモノには「毛物」というモフモフ感につながる意味合いも裏に込めるため、漢字(獣)ではなくカタカナ表記(ケモノ)とする。

 
4. 不完全さ
「ねぼけたこと、はなそ。」というコピーで非アクティブな性格を与え、ユーザーからのコミュニケーションを逆説的に誘発する。

ちなみに、こまかい話だけど、ネモフの英語表記「nemoph」は、「ネモフィラ(nemophila)」をモチーフにして考えた。

ネモフィラは、ギリシア語で「小さな森を愛する」の意味のようなので、あえて大文字は使わずに、すべて小文字で統一。「眠れる森の美女」といったように「森」には「眠り」と関係性の深いイメージがあるし、「小さな森」から抜けだしてきたようなキャラクターの見た目にもぴったりだと思った。

さいごに

プロジェクトを振りかえってみると、正直、ロボット業界のことは右も左も分からなくてどうなることかと最初は思っていた。でも、それこそ「ネモフ(nemoph)」に導かれるようにして靄のなかを進んでいくことができたような気がしている。

最終的に自分自身もいちばん好きな提案を選んでいただけたときは、靄のなかを向こうから歩いてきたパルスボッツ代表の美馬さんと出会って笑いあえたような。なんとも言えない嬉しい気持ちになったのを今でも覚えている。

まさか子どものころにフィクションの世界で憧れたロボット開発にキャラクターの世界観づくりから実際に関われるだなんて、まさに「いい夢」を見させていただいた。

ありがとうございました。

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